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声劇用台本小説
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ルシファー…男性。七つの大罪の一つ「傲慢」をつかさどる魔王。堕天使。

サタン…男性。七つの大罪の一つ「憤怒」をつかさどる魔王。

アスモデウス…女性。七つの大罪の一つ「色欲」をつかさどる魔王。見る人間の最も理想的な女性の姿をしているため、誰の目にも違う女性に見える。

コール、ナレーション…男女どちらでも可。上記の役の方が同時に勤めるのもあり。役名が記されていないセリフを担当。

 



会議室のような場所にて。7つある席のうち、3つの席に人影があった。

サタン:みんな相変わらずあっさり賛同するんだな。今回の作戦はかなり大掛かりだぞ。

サタンは少々あきれ気味に言った。

ルシファー:そうだな。恐らく天界も黙って見ていてはくれないだろうな。

同感、と言わんばかりにため息混じりに答えるルシファー。そして少し控えめに隣の席から女性の声。

アスモデウス:えっと…サタン様?伺ってもいい?

サタン:なんだ?

アスモデウス:人間界なんかを攻め落としてどうするのかしら?

サタンは遠くを眺めるような目つきをして答えた。

サタン:私はな…この牢獄のようなところから出たいのだよ。魔界は私には狭すぎる。

ルシファー:…帝王のお前が、そんなこと言ってたら魔界はどうなる?

苦笑しながら言った。

サタン:ルシファーよ、忘れたわけではあるまい?その翼を背負いこの場所にいる意味を。

諭すようにサタン。

ルシファー:…なるほど…な。

ルシファーはハッとして自分の翼に手を伸ばした。
6枚の悪魔の翼と2枚の翼。色は黒いが形は紛れもなく天使の翼。自分の過去を物語る切り捨てることのできない過去。
ルシファーはその昔、天使長だった。だがある日自分の力に溺れてしまった。神などより遥かに強い力を持っているという「傲慢」な考えにより、堕天させられたのだ。
神に歯向かうということは重罪である。罪を犯せば牢獄に閉じ込められる。そう、魔界という名の牢獄に…。

アスモデウス:サタン様は野心家なのね。

詳しく知らないアスモデウスだが、特に興味もないのか話を違う方向へ進めた。

サタン:これを野心というのだろうか、ただのわがままだろう。

アスモデウス:野心とはそういうものだと思うわ。

サタン:…まぁいい。アスモデウス、ソロモンの連中に伝えておいてくれ。あいつらもそろそろ血に飢えてるころだ。決行は24時間後。

アスモデウス:りょーかい。

かわいらしく敬礼のポーズをとるとアスモデウスの体が足元から闇に溶けて消えた。
部屋にはサタンとルシファーの二人きりになった。

ルシファー:天界のことは俺が調べよう。

サタン:すまないが、ほかにも調べてほしいことがある。

ルシファー:なんだ?

サタンは普段は見せない神妙な面持ちでルシファーに言った。

サタン:天界、人間界、魔界の三界以外の世界存在について、知ってるか?

少し驚いた様子のルシファー。三界以外の存在は噂、もしくは御伽噺程度にしか認識されておらず、それを真に受ける者など今までいなかった。

ルシファー:…そんな噂なら耳にしたが、まさか信じてるのか?

サタン:私も噂だけなら聞き流す。

ルシファーの顔色も曇り始める。彼はいやな予感がした。なにかが起こる予兆を感じていた。

ルシファー:…どういうことだ…?

サタン:ああ。これを見てほしい。

ルシファーの目の前に差し出されたのは5人の人間のデータ。

ルシファー:おやおや…人間界最強の5人じゃないか。

サタン:侵攻作戦の邪魔となるであろう5人だ。
    以前からマークしていたが…今より6時間前、それぞれ5人の監視に向かわせていた5匹の悪魔の亡骸が私の寝室に並べられていた。

ルシファーの顔つきがさらに険しくなる。羽が落ち着かない。人間で言うと、背筋がぞっとしているのである。

ルシファー:なん…だと…?5人の仕業じゃないのか?

サタン:5匹とも原形をとどめていない。滅茶苦茶、という言葉がよく合う。さすがの私も血の気が引いた。あの5人がそこまでするとも思えないし、
    今の力量ではできるとも思えない。ご丁寧にこんな手紙まで置いてあった。

ルシファーはサタンから血のりのついた手紙を数枚受け取った。
手紙にはこう記されていた。
(以下手紙内容。ルシファー役の方、朗読お願いします。)
7人の魔界の王に警告させていただく。
少々手荒いが、人間界に干渉していた悪魔5匹を破壊させていただいた。
この世界の均衡を崩すのであれば監視魔同様、潰す。
いいことを教えよう。我々は人間だが、この世界の規格ではない。
L S A

ルシファー:…ただのはったりだろう…

彼の声には明らかに不安が込められていた。

サタン:だと…いいな。

破壊された悪魔たちの姿がまぶたに焼きついて離れなかった。

サタン:…すでに作戦は動き始めている。いまさら後戻りはできない。

ルシファー:敵に…まわすんだな?

サタン:フ…私は魔界の帝王だぞ。人間ごときに恐れていてどうする。

ルシファー:そう…だな…。しかし黙ってることもなかっただろう?

サタン:余計な心配は無用だ。…もう遅い、お互い体を休めよう。

ルシファー:…うむ。

ルシファーはまだ聞きたいことがたくさんあったが、サタンの妙な態度を察して引くことにした。

ルシファー:(手紙も気になるが…)

堕天使だったルシファーに今の地位を与えたのも、魔界での生き方を教えてくれたのもサタンだった。それだけ付き合いも長く、お互いのこともわかることができた。
親友の不振な態度にルシファーは黙ってみていることはできなかった。


第1話「人間界侵攻作戦」END

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